国弘さんの自作ブラシレスモーター・テクニック!
国弘さんから”自作ブラシレスモーターを使ったテクニック&レポート”をいただきましたので、皆さんにご紹介致します。

2004.06.25  新ステーター使用の自作ブラシレス製作 レポート
先般購入した新ステータを使ってモータ作りました。ス
テータホルダは、HPで紹介されていたように
ドリルのチャックに挟んでヤスリで削ったところ本当に上手くいきました。

この自作ブラシレスはモータグライダーに使う予定です。
今の仕様は、
ステータ×2、ネオジ10*5*1、0.35×20ターン、リポ3セルです。
この場合、電流はペラ6×4で2A、8×4.5で3.5Aです。
小型グライダーを考えていますので、推力はペラ8×4.5の場合で十分のように思います。
ブラシモータのスピード400以上の推力は出ています。

ブラシレスモータは簡単に製作でき、驚く程のパワーがでます。
少し前のスピード400の推力不足に悩んでいたことがウソのようです(リポの恩恵も含めて)。
本当に電動飛行機が身近になったと感じます。
TORII)
早速の新ステーター使用の製作レポートありがとうございます。
小電流設定がいいですね!


2004.04.30  自作ブラシレス搭載ギヤダウンユニット レポート(その2)
<ギヤダウン式ブラシレスモータの続報>
前回「ユニオン」のギヤユニットを利用したモータを報告しました。重さが45gあり軽量化を考えていました。
その折り、トリさんのHPで榎本さんのGWS350Cを利用したギヤダウユニットを発見しました。合理的な構造に納得して作ってみました。
構造は非常に単純なので製作は楽です。
GWS350Cケースの不要部分を全てカットし、瞬間及びエポキシ接着剤を併用して組み立てました。
ピニオンギヤはKAWADAの64ピッチ(モジュール0.4)を使いました。完成重量は34g。軽い・・・。
モータ仕様は、ステータ12枚、ネオジ、0.35mm20Tです。
アンプはJETI08、リポ電池はKOKAMの720H3セル、ペラはGWS11×4.7です。
EPP機に搭載。機体は75×75cmの大きさで、全備重量は245gとなりました。
翼形は比較的薄翼にしています。
最大電流約4アンペアで、
初期回転4200rpm程度です。初期推力は400g弱・・・のはずです。
ホバリング、トルクロールを始め、何でもできます(私の技能の範囲で)。
現在は、目線以下の低空での背面ラダー打ちを徹底的に練習中です。
このギヤダウンユニットは、実運転時間5時間位です。
最近は激しく墜落させることも少なくなったせいもあり、
ギヤ欠けやシャフトの曲がりといったトラブルもなく順調に回転しています。
<考察>
一回り大きな機体にAXI2212/34を搭載して飛ばしていますが、こちらはパワーがありすぎて扱いが難しいと感じています。
スロー演技の操縦技術を高めるのであれば、大径ペラをゆっくりと回せる適当な出力のモータユニットがふさわしく、
自作CD−ROMギヤダウンユニットは、機体の種類や重量に合わせたモータユニットの選択をする際の1つの優れた選択肢と考えています。
皆様も是非試して見てください。


2004.02.12  自作ブラシレス搭載ギヤダウンユニット レポート(その1)
皆様に刺激されて私もギヤダウン式自作ブラシレスモータを製作しました。
手元にあったユニオンの370モータ用ギヤユニットを利用しました。
このユニットは、2分割式になっており一方側で1号機を、残りで2号機を作りました。
<1号機> (こちらは完成写真だけです。)
全体写真
ベニヤのマウントに取り付けた状態。
ギヤ比3:1
モータ仕様は、ネオジ貼り替え、1.5倍ステータ、0.35mm20Tです。
(全てTORIIさんから分けてもらいました。)
この状態で46gです。
プロペラ側の拡大写真
モータ自体のマウント及びユニットのマウントにベニヤを使っている為か音が静かです。
ペラの取り付け方法は2号機の方式がベターです。
ペラ側にナットを使うと、ペラのナット穴が削れてきて、
最後にはトラッキングが合わなくなり、ペラの回転も上がらなくなります。
搭載機
RC飛行機実験工房さんのSX−2を参考にさせて頂きました。EPP製です。
アンプ:JETI ADVANCE−8A
バッテリ:LiPo3セル
ペラ:GWS11×4.7SF
重量:約280g(バッテリ:KOKAM LiPo720Hの場合)
この仕様で、電流はMAX:5Aです。ほぼ中スロットルでホバリングできます。
推力は測定していません。家の中でホバリングできます。非常に疲れますが・・・。
屋外での飛行
ホバリング、トルクロール(未熟ですが)は問題なくできます。この状態で垂直に引き上げることも容易です。
ホバリング中心の飛行で有ればパワー不足を感じることはありません。大成功です。
(追記)
◇ このモータ、GWS12×6を回すことができます。フルスロットルでも全く脱調しません。
この場合MAX:6A流れ、推力が出るだけにかなり発熱します。数分ホバリング後に触ってみると熱くなっていました。
なお、GWS11×4.7SFの場合は少し暖かくなる程度です。
◇ GWS11×4.7SFの場合、リポのオートカット(9V)が働く寸前までホバリング可能です。
9Vで280g以上の推力は確保できています。
◇ 自作ブラシレスモータは、手元にある市販のブラシレスモータよりも静かです。
市販のものは高周波ノイズがでます。ギヤダウン式にしてもEPPの吸音効果と思われギヤ音は気にならず静かです。
(結論)
◇ ネオジ+1.5倍ステータ+0.35mm20T+ギヤダウン3:1+GWS11×4.7で
実用に耐えるモータユニットが出来上がりました。皆様に感謝です。

<2号機> こちらは製作過程を写真に撮りました。
使用した部品一式です。
ケースは不要部分をカット。
ペラ側のスパーギヤ(赤)はユニット付属のものを短くカット。
ステータは1.5倍。
素材缶を使用します。ブルーベルの場合は干渉するのでケースを削る必要があります。
ステータの取り付けは、10mm(内径8mm)、8mm(内径6mm)のアルミパイプを
FRP板にエポキシで接着します。長さは現物合わせです。FRP板は1.6mm。
モータ側のピニオンが問題です。
ユニット付属のものを3mmに拡大して両側からナットで挟み込みました。
ネジロックを使えば緩みません(1号機で実績あり)。
ピニオンシャフトは、スパーギヤシャフトの切り落とした方を利用しました。
ケースにFRP板をマウントした様子。
アルミパイプのFRP板への固定は瞬間+エポキシです。
強度上の問題は今のところ有りません。
ピニオンギヤの位置は微調整可能です。
FRP板に当接するアルミパイプ10mmの端面の精度を出すことで軸の垂直を確保しています。
簡単な工具で作ることができます。
FRP板は0.8mmを2枚エポキシで貼り合わせたものです。
0.8mmのFRP板はハサミできれいにカットできます。
組み立てた状態
重さ:32g(ペラ無し)
ピニオンギヤが少し突出します。機体への取り付け方法を工夫すれば問題なし。
テトラのホイールストッパ(3mm)をプロペラペラセーバに使いました。
シャフトをストッパの前端面から5mm程度突出させることで
プロペラペラセーバとして上手く機能します。
ペラの穴が削れることも無くGOODです。
素材缶は見た目に迫力がないので、やはりアルミのベルが欲しいところです。
この素材缶、加工精度が悪くステータと干渉している様子で
、モータを回してみると脱調気味で発熱もありました。
アルミ製ベルに取り換えることにしました。

ケースと干渉する部分(スパーギヤのシャフト側)を削りました。
幸い三角のリブが入っていたので強度の低下はなさそうです。
ステータの取り換えやピニオンギヤの位置調整を容易にするために、
モータ側にナットが来るようにしました。
横からナットを掴めるようにケースに開口を設けました。
完成です。
マウントも含めて46gです。1号機に比べて見た目が非常にシンプルになりました。
飛行機に搭載してみました。1号機と同じ性能でした。
<考察>
◇ 今回、素材缶の場合に脱調が発生し、モータ自体からかなりの発熱がありました。
電流を測定してみると中スロットルで6A位流れていました。1号機と同じ条件で作ったはずなのに・・・。
◇ TORIIさんにお聞きしたところ、漏電、缶の干渉の可能性をアドバイス頂きました。
まずは漏電を疑い、注意深くまき直したステータで実験しましたが同じ症状でした。
次に素材缶の精度をチェックしてみました。よく観察すると、軸の偏心があるようでステータと干渉しているような気配がありました。
アルミ製のベルに変えてみたところ、回転も滑らかになり上手く回るようになりました。
◇ 自作ブラシレスモータは構造がシンプルですが機械的精度には注意が必要と感じました。
大した工具を持たない私にはブルーベルは重宝です。