2004.08.26
(9/10追加)
 ■ リポ発火の考察!■ LI-POバッテリー  
まず、はじめにお断りしておきますが、
今回のレポートについては、皆さんからお聞きした話やネットで調べたことを自分なりにまとめたもので、
TORII自身が完全に理解・証明したものではありません。
しかし、この考察からリポで行ってはいけないことが見えてきましたので、少しでもご参考になればと思いましてUP致しました。
また、個人のメモ的な色合いがつよいに内容ですので、ご判断は皆さん自身で行ってください。。
もちろん完全に正しいとは思っていませんので、もし、間違っているとか新情報がありましたらご連絡くださるとありがたいです。

いろいろ、調べたのですが、なかなかリポの発火のメカニズムを
上手く説明してHP等がないので、TORII理解した範囲でわかりやすく表現したつもりです。
文がつたないところはご容赦の程・・・m(_ _)m
▼ 皆さんから頂いた考察と情報 ▼
こちらではメールで頂いた考察をご好意でUPさせていただきました。
あくまで個人の考え、感想なので、参考にする・しない各自の判断でお願いいたします。

最初にリポは化学反応によるバッテリーだということを頭に入れておいてください。
(当たり前だって・・・スミマセン)
また、リポの構造ですが、簡単に言うと
・外装アルミパック
・リチウム電解質を保護する保護材
・中央にリチウム電解質
・リチウム電解質を保護する保護材
・外装アルミパック
となっているのが単セル一般的な構造で、
2、3セルはこの単セルを収縮チューブ等で包んで販売されていると思います。

これを頭に入れて、
実際のラジコンでの使用を考えてみます。

第一段階)のリポ保護材の膨張
 過充電、過放電の熱によって最初に起こることは、
 中央のリチウム電解質を保護している保護材の膨張と考えられ、
 バッテリーの負荷に対して危険信号を出していると思っていいと思います。
 このときの程度によって、中央のリチウム電解質の状態変化を知ることが出来るようです。
 つまり、少なくとも一度膨らんだリポは、
 たとえ使えたとしても正常な化学反応を起こせない、
変質したものになっている可能性が高いということです。
 このため、膨張したリポは放電能力、放電容量が劣化していきます。

 ただ、この段階の膨らんだリポは保護材が膨らんだだけなので、
 時間が経つと萎んで元に戻ることが多いです。
 とはいえ完全に正常な状態には戻る事はないと思われますので、注意が必要です。

第2段階)リチウム電解質部分の膨張
 これはリポ自体が膨らんで戻らない状態で、
 この段階では完全にリチウム電解質が変質していると考えられ、
非常に危険が潜在していると考えられ、
 熱等によってバッテリー内部にガスが発生して、
 リポを保護しているアルミパックが浮いている状況になっているはずです。
 こうなると発生したガスは元に戻りませんから、リポ自体も膨らんだままといえますし、
 バッテリーとしての寿命は尽きたと考えてください
 また、ガスで膨らんでいるため弾力性があります。
 (ただし発生したガスの量によっては、
 保護材が萎んで見た目には元に戻ったように見えるかも知れません。)
 
さてここからが本題で、問題の発火のメカニズムです。
はじめにリチウム電解質は外気に触れると発火する可能性が非常に高いということです。
そのため断定は出来ませんが、一つの考察として、
第2段階に至った状況で、なんらの力等が加わって小さな穴が開いたと仮定します。
ここから外気とガスの交換が行われ、
結果としてリチウム電解質が燃え出すのではと思われます。

こう考えると、今までのリポの発火の多くが説明できるとお思います。
1)リポが出始めのときリポは燃えないといわれた
 これは、最初に使い始めた人たちは、リチウムイオン等を使用していて、
 どちらかというと電動、バッテリーになじんでいた人が多く、
 初期リポは放電能力が低かったため、
 限定使用していたため発火に至るまではいかなかったのではと思われます。
 1000mAhのリポリポでも4Aが精一杯で、
この電流域を使う小さな飛行機にリポが重過ぎました。

2)過充電、過放電、ショートによる発火
 これは無理なエネルギーの注入、放出によって、リチウム電解質が変質してガスが発生し、
 アルミパックをが破れ外気と触れて発火したと考えられます。
 (ニッカドなどはガスが発生すると弁が働いて逃がすものが多いですね)

3)墜落時の発火
 墜落によってアルミパックに傷がつき発火、もしくはショートにより発火したものと考えられます。

某掲示板で「コネクター部でのショートでは?」と書かれていました。
確かにショートも可能性としてはあると思います。
しかし、私自身はもしそうであれば充電満了であったことも考え合わせると、
墜落時のようにもっと早い時間で発火が始まる始まったと思われので、
今回ショートではないと仮定してみました。

4)時間が経ってからの発火
 さて、問題の時間だ経ってからの発火です。
 そこで、ここではショートとは別の可能性を考えてみました。
 Sさんを引き合いに出して申し訳ないのですが、
 保管管理、コネクター部は問題ないと思うのですが、
 使用状況については過酷なものがあったと推定できます。
 実際膨らんだリポも見ています。
 特に今回のリポは3セルということもあって、
 セル間のばらつきは2セルに較べてかなり高くなっていたのではとも思われます。
 たぶん思うに充電しても予想容量に達していなかたっと思われ、
 もしそのときの充電容量がわかっていたら、危険を察知出来たかもしれません。
 また、ファンフライに積んでいたので、墜落等によるショックもあったのではと思います。

  ここでSさんの証言を思い出してください。
 「その日の充電で燃えたリポと燃えない他のリポと違うとしたら
 燃えた方はしばらく使用していなかったくらいです。
 最近はズームズーム(ファンフライ機)がメインになっているため、
 2セルの使用頻度が多く3セルは久々の充電でした(1ヶ月くらいかな?)」

 そうしばらく使っていなかったんです。
 たぶん保管していたときはバッテリー容量が少なかったと思われます。
 
これらを考え合わせると。、
1)前回の飛行で、過放電+外気温の高さ+墜落・着陸の衝撃が加わる
2)電解質の変質
3)衝撃等で小さな穴が開くが、萎んだことによって穴が一時的にふさがった
4)使用後だったためにバッテリーのエネルギー量が少なく、そのままの状態を保っていた。
5)久しぶりの充電
6)充電によって、変質した電解質から微量のガスが発生
7)見た目にはわからなかったが、少しづつガスがたまってふさがっていた穴を開く
8)開いた小さな穴からじわじわと外気が進入
9)外気と電解質の化学反応がピークに達する
10)発火!

のような過程が推測されます。
もっと早い段階での発火が起こる可能性もありましたが、
今回は数時間後だったと考えられます。

こう推測していくと、保管時の発火については、リポの状況によって時間差があり、
一概に何時間後とか言えないことになります。

このほか内部電解質等のショートの可能性もないとはいえませんが、
その場合は時間が経ってからの発火は考えづらいかも知れません。

推測で申し訳ないのですが、
特に膨らんだリポでやってはいけないことは、
・膨らんだリポを押して遊ぶ?=>穴が開いたら一気に発火・爆発する可能性があります。
・膨らんだリポに穴を開ける=>かなり危険です・・・
・膨らんだリポを胴体形状に合わせて変形させる=>穴が開いたら・・・・・
等で、

膨らんだリポの対処法はつぼ等の不燃性の容器に入れていおいて様子を見るぐらいでしょうか。
水につけておくという方法もあるようですが、
実際にやったことがないので、コメントは控えさせていただきます。

とは言うものの、現状でのリポの使いかっての良さは何にも変えられないものがありますね。
私自身懐が寂しいもので、どうしても膨らんだリポが捨てられず再利用してしまいます。
このへんの見極めが難しいところで、
膨らんでも元に戻って、充電もソコソコできるので、「まだ使える!」ってやってしまうんですよね。
正直困ったものです、どうしましょうか?

正しい情報?、新しい情報が入りましたら追加UPしていきます。


PS:当レポートに当たりMさん、Sさん、Iさん、Kさん他のお話を参考にさせていただきました。
  本当にありがとうございました。

9/10 TIさん
(以下はもしかすると翻訳勘違いがあるかもしれませんので、原文を確認することをお薦めします)
サンダーパワーに電池の取説が見つかりました
76℃で燃えるとか、6分放電したら15分休めなどと書いて有ります。

となると、車の中に置いとくだけで発火します
携帯電話は平気ですが..

サンダーパワーのリンクです。
http://www.thunderpower-batteries.com/html/charging.htmlhttp://www.thunderpower-batteries.com/images/THPSafetyWarnings.pdf
たぶん・・・

 推奨温度        4℃〜27℃
 使用温度範囲 充電 0℃〜45℃
                              放電 0℃〜60℃
 保存中76℃を超えて2時間以上経つと劣化し発火の可能性が有る。
 負荷状態で3V/cell以下まで使うと性能が劣化する

TORII・・・このメーカー情報が正しいとすると、
過負荷や気温が高いときの発火の可能性はかなり高いようにも取れます。
もっともメーカー資料なので安全率は見込んであると思いますが、保管・使用については頭に入れておきたいことですね。




9/1 SGさん
「以前買っていたA社の600ミリの3セルパックが買って
きて置いてる間に1セル膨らんでしまってました。販売店の話ではごくまれにあ
るようです。B社は液漏れしている事もあるようですね。」
(TORII・・・これらはたまにというか、割とよく聞きますので、特定メーカーに限ったことではありませんね。
よく”使用は自己責任”とうたってありますが、使用する前からこれでは何とも・・・?
自己責任を言う前に、製品の品質管理を確実にして欲しいです。)




8/27 SIさん
「「リポ保護材の膨張」とはどんな状態でしょうか。。?

リポの膨張はポリマーの吸水ではないかと最近思ってます。
膨張の種類としては吸水の原因別に、
内部の化学反応か、外部(大気中の水分)によるかの2種では!?
と考えてます。
内部の化学反応での場合は、
充電して元に戻ったりある程度再使用が可能だったりし
外部によるものの場合は、
ピンホールのようなその程度の小さい場合は膨らみ、
墜落など程度の大きい場合は発火となるのではと思ってます。

*ポリマーの吸水
穴が開いたと思われるリポを塩水漬けにしたときに大量のゲルが出てきたことから、
リポの膨らむ原因の一つには、ポリマーが吸水してるのではないかと思いました。
紙おむつの様な吸水です。
その水分がどこから出たかはわかりません。
リポ内部でH2Oが発生するような化学反応があるかどうか
わからないので、何とも言えませんが
フライト後、少し膨らんだリポが充電することによって
膨らみがなくなる事があるので、
充電によってポリマーが吸着していた水分が電気分解されて無くなって
元に戻るのかと想像しています。

膨らんだポリマーが充填されたパックに衝撃が加わると
内圧のためにパッケージが裂けて
リチウムが水分と化合しやすい状態になって発火する
のでは?!と最近考えています。
発火の為には、
ポリマー中の水分・空気・電気エネルギー
の条件が必要なのではないかとも思います。

水は危険なはずなので塩水漬けするのは勇気がいりましたが
空気を遮断し、しずかに電気エネルギーを放出させられると
こう考えれば比較的安全な方法と思えます。

一晩たって発火した例の場合
箱に入っていたそうなので
膨れていたかどうか未確認なのではないでしょうか。
限界まで膨れていたと想定すれば、
箱を動かした衝撃でパックが裂けて反応が起き始めたと
考えられると思います。

・・・しかし、そんな理由ならば
リポメーカーに聞けばすぐにわかることなんでしょうね。
メーカーがどこかで公開してないものですかね。
そうすりゃ素人が「ああでもないこうでもない」とせずに済むのにね。(^^;

(TORII・・・賛成!)


8/27 SGさん
「先日のリチウムポリマー発火のお話、
まだまだ安易に使ってはいけないなと感じました。
発火の原因はいろいろ考えられると思いますが、
原因云々よりも取り扱いを間違えると発火する事を忘れないようにしたいですね

文面から見ると金属製の箱の中にいれて移動させたときに
何らかの原因でコネクターの端面が箱の金属に接触しショートした
という事も考えられなくはないような気もします。
私も気になってMPXコネクターを見てみたのですが、
メス側のコネクターの端子が押されると
端子の先端がコネクターの面より外に出ることもありますね。

コネクターカバーを使うか
(以前3.5ミリのヨーロッパ式?コネクターを使っていたときには
シリコンチューブを被せていましたが
オス側の端子を切除し絶縁したものをさしておくというのも有効かもしれませんね。

最近は最初からリチウムポリマーを使われる方も多く、機体に積んでコネクター
つなぎっぱなしでアンプのスイッチをオフにした状態で保管されている方もいま
す。これは論外なのですが、そういう方も多くなってますね。

私の回りでは発火の例は無いのですが、中途半端に電気の知識のある人が間違っ
た充電をしてしまったり、過剰な放電をさせてふくらませたりというのはあります。
バッテリーのメーカーによっては信頼性に疑問のあるところもありますし、
まだまだ誰にでもという訳にはいかないですね。

多セルの並列パックはまだ充電に問題があるような気がしています。
1セルもしくは直列のセル毎に別な充電用端子があれば別ですが、
並列で多くのセルをパックしてしまうと
セル間のばらつきが充電毎に広がるような気もします。
実際2パックを別個に充電というのが実用上でいっぱいの様に感じます。

(TORII・・・おっしゃるっ通りだと思います)